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1,毎日検査を受けるらしいオリンピック関係者
検査体制が遅々として進まない理由について、これまでいろいろ考えてきたけれど(https://www.monogusadiary.com/?p=312)、その真偽のほどはわからない。
でも、混乱を直視せず、様々な不備を指摘されても暖簾に腕押しの首相と関係閣僚の姿をみていると、政府が、オリンピックの開催に固執しているらしいことだけは、よくわかる。
ちなみに、オリンピックでは、8万人ともいわれる関係者のPCR検査を、毎日のように行う計画らしい。少なくともアスリートのみなさんは、毎日の検査が義務付けられるそうだ。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-04-28/QS7MWWT0AFB501
①陽性者の発見と隔離、②人流の抑制、③ワクチン接種率の増加。
この3要素がそろい踏みしないとコロナは抑え込めないと言われている。だから、オリンピック参加者と関係者にたいし、③の観点からワクチン接種を義務化し、①の観点から毎日PCR検査をする、という方針なのはよくわかる。
それが、オリンピックを安全に開催する、必要最低限の条件なのだから。
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2,私たちの検査は?
その一方で、肝心の私たち一般市民の検査体制は、どうなるのだろう?
菅首相は、1月の緊急事態宣言発出に伴う記者会見で、3月までには誰もがどこでもPCR検査を受けられるようにすると明言した。
ところがどっこい、症状が出なければ、いまだに検査すらしてもらえない。症状が出て検査を受けることができたとしても、結果が出るまで数日かかる。
感染者と接触していた場合であっても、保健所に「濃厚接触者じゃありません」といわれたら、検査すらしてもらえない・・・。
このように、検査体制は脆弱なまま、医療体制もひっ迫している。地域によっては医療崩壊も起きている。しかも政府は、3大対策の③ワクチン接種にだけ躍起になっているから、とてもじゃないけど、①の検査体制がどんどん拡充していくとは思えない。
こうして、陽性者を隔離するという感染症法の根本が徹底されないままなものだから、だらだらと緊急事態宣言の発出が続けられてしまい、飲食店や宿泊業をはじめとした事業者は悲鳴を上げている。
それに、ワクチン接種率だって、1回目を終えた人がようやく1000万人を超えた段階。いつ終わることやら・・・。
そんなところに、これまで以上に強力なインド変異株が、政府の貧弱な防疫体制のせいで、蔓延の兆しを見せている。不安は尽きない。
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3,予想されるディストピア
ところが! 私たち一般市民は、そうした状態で捨て置かれているのに、五輪貴族たちは、開催期間中、毎日、万全な検査体制のなかで、高級ホテルに泊まり、高級食材に舌鼓を打ちながら競技をみて楽しむのだという。
https://www.daily.co.jp/general/2021/05/27/0014363595.shtml
はっきり言って、こどものいのちを預かる親としては、怒りしか湧いてこない待遇格差だ。
インド変異株以前に、すでに従来株に置き換わり大部分を占めているといわれるイギリス変異株にかんして、アメリカから心配なニュースが届いたと『NEWSポストセブン』が報じている。
https://www.news-postseven.com/archives/20210523_1661115.html?DETAIL
五輪をなんとしても開催するために、検査のリソースをそっちへ重点的に割いているのか、それとも、オリンピック開催に向けて感染状況を小さく見せるために一般市民の検査拡充が抑制されているのか。
いずれであったとしても、あるいはそんな思いなど毛頭なく、ただやる気がなかっただけだとしても、オリンピックを開催している周辺地域だけがグリーンゾーンとなって、その外側で一般市民がどんどんいのちを失うような状況になったとしたら、もはやそれは歴史に名を遺すディストピアとなるだろう。
権力者たちが、自分たちの利権を守ろうとするあまり、利権に関係のない私たち一般市民を蔑ろにする自己責任の貫徹された世間の出現を前に、家族を、学生を守り切れるのか、友人やお世話になった方がたは大丈夫だろうかと、不安ばかりが襲ってくる・・・。