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1,Tくんの記念日
ちょうど1週間前の今日(注)。朝6時半ころ。
まだ寝ていた私の枕元に、3歳のTくんがやってきました。
「パパ~、これ食べてみて~。」
Tくんがかわいい手にもっていたのは、K子さんが切ってくれたキュウリのスティック計3本。
私は、眠い目をこすりつつ、「ありがとう。おいし~い!」と言いながら、モグモグと2本食べました。
すると、Tくん、「おいしい? ほんと?」と言いながら、1本だけ手に残し、K子さんのいる台所のほうへ。
ちょっとしてから起き上がって台所に行くと、K子さんが嬉しそうに話しかけてきました。
「Tくんがキュウリ食べられるようになったよ! 『おいしい』って言ってたよ! 何があったの?」
私は、かくかくしかじかと、Tくんがもってきてくれたキュウリを、寝ぼけまなこの顔で美味しそうに食べただけだよ、と説明しました。
それはさておき、そう、先週土曜日は、Tくんが「キュウリを食べられるようになった記念日」になったのです!
パチパチパチ~!
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2,私たち夫婦の方針
〈こどもが「食べたくない!」と言っているものを、無理に食べさせようと強制してはいけない〉
K子さんと二人で守ることにしている、子育て上のルールです。
Tくんがキュウリを食べてくれたときは、「このルールはやっぱり正しかった!」と久しぶりに思いました。久しぶりというのは、上の子たちにも、こういう日がこれまでたくさんあったからです。
でも、私たちのこういう方針は「甘い!」と思われる方もおられるはずです。
「こどもを泣かせてでも、栄養のあるものは食べられるように矯正しないといけないのだ!」
そうお感じの方も、たくさんいらっしゃることでしょう。
でも、そのような考え方は間違っていると、私たち夫婦は考えています。
今回は、Tくんの記念日に合わせ、その理由を記しておきたいと思います。
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3,矯正を強制してはいけない理由1――かえって食べられなくなる!
なぜか? その一番おおきな理由は、食べられないものを食べるよう強制すると、かえって、こどもはその食べ物を食べられなくなる可能性が高くなるからです。
みなさんも、嫌いな食べ物はありますよね。
そのなかでも、親に強制されて本当に嫌だった、という思い出のある食べ物はありませんか?
ある、という方ならわかっていただけると思いますが、嫌な思い出とリンクしてしまった食べ物は、大きくなっても「食べてみよう」という気は起らないものですよね。むしろ、たんなる食わず嫌いだったら、大人になって食べてみたら意外においしかった、ということもありえますよね。
だから、強制すればするほど、こどもはどんどん頑なになり、食べてもらいたいものをかえって食べてくれない、という悪循環に陥ってしまうのです。
そうなると、こどもが大人になったとき、「あのとき無理強いされて嫌だった!」とチクチク嫌味を言われて過ごさなければならなくなってしまう危険性ばかりが大きくなってしまいます。
~中編へ続く~
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(注)先週の今日というのは、実は6月12日の土曜日です。文章を書いていたら、日付が変わり、日曜日になってしまいました(汗) そして、分量がむちゃくちゃ多くなってしまったので、3回に分けて掲載することにしました。どうかご寛恕ください。