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4,矯正を強制してはいけないと思う理由2――こどもの成長を感じられない
嫌いな食べ物を食べるよう無理強いされてかえって食べられなくなったり、大人になったこどもにそうしたときのことについてネチネチ嫌味を言われたりするくらいなら、いまこどもが食べられない食材があったとしても、「いつか食べられるようになったらいいね~」と、ポジティブな言葉をかけておくだけで十分です。
なぜか? それは、我慢して待っていたら、こどもは「これ、食べてみよっと!」と、嫌いだったはずの食べ物に自分からチャレンジするようになるからです。
長男のNくんは、現に、「ほんとに、これおいしいの?」と言いながら自分でチャレンジし、嫌いだった野菜も、お刺身も、ほとんど食べられるようになりました。
こどもが自分で成長するちからって、ほんとすごいです。
でも、保育園で先生から食べるように強制され、みんなの前で吐き出してしまったキノコだけは、いまだに、どうしても食べられません。キノコのお吸い物の汁だけなら、飲めるのですけれども・・・。
だから、嫌いな食べ物の矯正を強制したら、その食材を食べられるようになったときのこどもの成長を、親が自ら感じられないようにしてしまっているのと同じだと私は思うのです。
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5,コツは、親が美味しそうに食べる!
ちょっと話を戻すと、こどもに「早く食べられるようになってほしい!」と強く願っている食材ほど、自分から食べてもらえるようにするには、あるコツが必要になってきます。
それは、こどもが嫌いなものを、常においしそうに食べること!
場合によっては、おおげさに「おいし~い!」と言って食べること!
これが超重要なポイントです。なぜなら、親が美味しそうに食べているからこそ、こどもは「これ、食べてみよっかな?」という気持ちになれるからです。
ただし、そんなに急がない場合は、普通に食べてる姿をこどもに見せるだけで充分です。いつのまにか、勝手にチャレンジして食べてくれるようになります。
話を戻すと、こどもたちが嫌いだったものを食べられるようになるたびに、こどもの成長する姿を夫婦で微笑ましく思ってきました。でも、嫌いなものを無理に食べさせようとしてこどもを泣かせているだけでは、けっして、このような子育て上の喜びは感じられなくなってしまうと思います。
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6,矯正を強制してはいけないと思う理由3――こどもとの信頼関係を築くチャンスが失われる
こどもが嫌いな物を食べられるようになるには、もちろん、何か月、いや、ときに何年もかかります。
だから、無理にでも食べさせたいと思う気持ちが強ければ強いほど、忍耐が必要になってきます。
でも、もし「そんなに待てない!」と仰る方がいたとしたら・・・?
端的にいって「もったいない!」と私は思います。なぜなら、こどもとの信頼関係をより強固にする機会を、親が自ら手放す結果になってしまうと思うからです。
念願の、こどもが嫌いだった食べ物に挑戦してみる日が「キター!」と想像してみてください。
嫌いだったはずのものを食べたこどもが「あれ、おいしいかも!?」と嬉しそうな顔をしたら、「でしょ~!? だからパパもママもこれ好きなんだ~! これからず~っと一緒に食べられるね!」と、親子で喜びを分かち合えますよね!
このとき、こどもは、無意識かもしれないけれど、〈自分が嫌いな物を食べようと思えたのは、親が強制せずに待っていてくれたからだ〉と実感しているはずです。だとすると、無条件にこどもを信頼して待つ、という親の姿勢は、親と子の信頼関係をより強固にする可能性を秘めています。
だから、嫌いな食べ物を食べるよう矯正を強制しようとすればするほど、こどもとの信頼関係を築き、より強いものにしていく機会を、自らの手でみすみす手放す結果になってしまうと思うのです。
~後編へ続く~