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1、4人に1人が知らない、沖縄の慰霊の日
今日6月23日は、ちょうど76年前、日本軍第32軍の牛島満司令官が自決をして組織的な戦闘が終わった日にあたる、沖縄の慰霊の日。
牛島司令官のお孫さんである牛島貞満さんの、おじいさんを慕う思いと、おじいさんが出した命令でそのあと続いてしまった事実との間の気持ちの揺らぎに迫った、『毎日新聞』の秀逸な記事が今日付で配信されている。
https://mainichi.jp/articles/20210623/k00/00m/040/001000c
ところが、日本人の4人に1人が、今日が沖縄の慰霊の日だという事実を知らない、という衝撃の世論調査結果が『沖縄タイムス』によって報じられた。
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/774415
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2,地続きの無関心?
そして、ちょうど1週間前。重要土地規制法が、委員会での強行採決を経て、参議院本会議で可決、成立した。
この法律は、強まる米中対立を背景に成立したと言われている。万が一、米中が軍事衝突するようなことになった場合、沖縄諸島に米軍がミサイルを配備して後方に退く作戦が取られる予定になっていて、沖縄の地が戦場になってしまう可能性があるらしい。
だから、沖縄では、この法案の動向は注視されていた。沖縄の方がたにとって、場合によっては、生活のみならず、いのちが脅かされない法律なのだから(URLは『西日本新聞』記事)。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/753966/
けれども、全国レベルでは、この法案は、中止されるどころか、大手メディアから黙殺される状況が続いていた。
沖縄の慰霊の日が知られていないという事実と、沖縄の人たちが甚大な被害をこうむりかねない法律への無関心さとは、地続きなのではないか・・・?
そう思わずにはいられなかった。
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3、軍事では何も解決しない
たしかに、香港やウイグル自治区での人権弾圧や、威圧的な軍事力の見せつけ的な行為など、中国の横暴は目に余る(リンクはBBCの記事)。
https://www.bbc.com/japanese/55945241
しかし、だからといって、日中の現実的な関係性の実際をふまえれば、「だったら軍事で解決すればいい」という結論にはならないはずだ。
たとえば、日本の企業は、中国に2万社以上が進出している、といわれている。
中国で生産された部品をもとに日本国内で製造されている商品も多いし、食料品だってたくさん輸入している。
経済がグローバル化しているなかで、もしも武力衝突となってしまったら、こうした経済上のつながりが断たれ、日本企業の資産が凍結されたり、必要な物資が入ってこなくなったりし、日本経済は大混乱におちいるだろう。そうなると、私たちの生活、食の部分でも、相当におおきな影響が出るだろう。
それは、実は中国側にとっても痛手である。
だったら、やるべきことは対話である。軍事では何も解決しない。
国民を縛り付ける悪法を通している場合でもない。
国会議員の先生方には、国際的な視野から、賢明な判断をし、外交にあたってほしいと切に思う。