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7,矯正を強制してはいけないと思う理由4――教えてはいけないことを教えてしまうかも!?
最後にもうひとつ、食べられないものを食べるよう強制してはいけないと思う理由があります。
人に強制して、その人が嫌いな物を食べさせるという行為は、知らない人どうし、同僚どうし、友達どうしといった関係だったら、絶対にやってはいけないことですよね。
そのように、ほんとうなら絶対にやってはいけない行為だからこそ、「親子ならやってもいいのだ!」「教師と生徒との関係だったらやってもいいのだ!」ということにも絶対ならないと思うんです。
少なくとも、私には、やってもいい正当な理由が思い当たりません。だって、栄養を取るのが目的だったら、かわりに食べられる食材を摂っておけばいいだけなのですから・・・。
こどもは敏感です。こんなことは、とっくに気づいています。
それなのに、「栄養があるんだから食べなさい!」と、有無を言わさず食べるように強制されたら、子どもはどう思うでしょう?
「ああ、食べなくても大丈夫な理由があるのに、親は強制してくる。泣いても許してくれない。僕の/私の意見を聞いてもくれない・・・。パパが/ママがこういうことするんだったら、理不尽なことであっても、人に強制したっていいんだ!」
このように、人としてやってはいけないことでもやっていいのだ、と教える結果になりかねない、と思うのです。
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8,どうせなら、ストレスの少ない未来へ
みなさんは、選ぶとしたら、どちらがいいですか?
食べられないものを食べるよう強制し、「食べてくれない!」とイライラだけを募らせ、こどもが大人になったときに嫌味を言われる未来・・・(親にされて嫌だったことを、自分の大切なこどもや生徒たちに繰り返してもよいのでしょうか?)。
それとも、嫌いな物でもしぜんと食べられるようになっていくと信じ、こどもの成長する姿をみて喜ぶ未来・・・。
私たち夫婦は、後者を選択しました。そして、いまのところ、16年余り、うまくいっています。
待つのは忍耐がいる、みたいに書きましたけど、実際には「おいしい!」と言って私たちが食べていたら、こどもはいつのまにか勝手に挑戦してくれて、食べられるようになっています。
「無理やりにでも食べさせたい!」と思っていないので、ストレスを感じることはまずありません。
そして、面白いのが、かつて嫌いだった食べ物をこどもが食しているとき、私たちが「そういえば、これ食べられるようになってよかったよね」と言ったら、「え、オレ、これ食べられなかったっけ?」と本人たちが忘れてしまっていることです!
ほんと、こどもたちの成長する姿には、驚かされるばかりです。
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もしも「こどもが嫌いな物を食べてくれない!」と悩んでおられる方がいらしたら、ぜひ、だまされたと思って、私たち夫婦の方法を試してみてください。
きっと、ストレスのない、ちがった未来がやってくるはずです!
ただし、あくまでも個人的な見解ですので、けっして成功を保証するものではありません(笑)
そして、すでにこどもさんにとってトラウマになっている食材は、この方法であっても食べさせるのが難しいのも間違いありません。ごめんなさい(汗)