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1、ロシアの侵攻をあおる権力者とマスメディア
アメリカのバイデン大統領もイギリスのジョンソン首相も、ロシアのウクライナ侵攻が近いと騒ぎ立てている。ロシアのプーチン大統領も、強気な発言を繰り返している。
日本のマスメディアも、専門家を呼んでは危機をあおる報道を繰り返している。
でも、なんか胡散くさい。こういうふうに一方的な情報しか流れないときは〈なにか隠された意図があるのではないか?〉とついつい感じてしまう。
私たちが、北朝鮮のミサイル発射を大仰に騒ぎ立てるニュースを見て「またか」と思うのは、軍隊を海外に展開する財力もエネルギーも北朝鮮にはないことを知っているからだ。
同じように、ロシアにもそのような力があるとはどうも思えない。だから、なんか茶番劇のような気がしてならないのだ。
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2、田中龍作氏の現地報告
こんなとき、マスメディアから流れてくる一方的な情報とは違った角度からの見方を与えてくれるのが現地からの情報だ。なかでも、どこかで紛争の危機が起こったとき、真っ先に現地に飛んで私たちに情報を届けてくれる田中龍作さんの報告は、示唆に富んでいる。
『田中龍作ジャーナル』2022年2月16日記事によると、ウクライナの市民からは、ロシア軍侵攻の切迫感は感じられないという。むしろこの記事では、30代の男性が「これは劇だ」と述べたというインタビューが掲載されている。つまり、おおかたのウクライナ市民は、ロシアとウクライナとの緊張関係はつくられたものだと感じているようなのだ。
さらに興味深いことに、同ジャーナル2月19日の記事によると、ロシアが実効支配するドンバスという町で、なぜかウクライナ軍が発砲したとロシアのマスメディアが騒ぎ立てているのだという。この事実から、田中龍作さんは、プーチン大統領が、ロシアが実行支配している街に、ロシア軍が侵攻し制圧する絵を流すことで、幕引きを図ろうとしているのではないかと推測されている。
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3、プーチン大統領が拳をおろしたがっている理由
なるほど。でも、どうしてプーチン大統領は、拳のおろしどころを探っているのだろう?
そう考えているとき、とても示唆に富んでいるネット記事に出会った。立命館大学の上久保誠人教授の「〝大国ロシア“という幻想。プーチンは「ウクライナ侵攻」の力など持っていない」という投稿である(まぐまぐニュース2022年2月17日付記事)。
そもそもNATOの範囲は、この30年間でかなりロシアを囲むように拡大しているのだから、強気に出られる条件にないこと。むしろ、コーナーに追い込まれているのはロシアの側であること。
マスメディアではプーチン大統領が天然ガスを武器にしていると騒いでいるけれども、そもそも買う側から見れば、いざとなったら少々割高でも別なところから買えばいいわけで、そもそも天然ガスに関する交渉は対等な関係であること。
こういうなかで紛争を起こせば、ロシアは孤立し、経済的にも苦しくなると予想されること。
なるほど!と目から鱗が落ちることばかりだった。
プーチン大統領が拳をおろして、一刻も早く紛争が回避される日が来るよう祈らずにはいられない。
戦争反対は前提ですが、反ロシア一色になってることに、怖さを感じています。日本がどこかと戦争することになったら、ロシアのように敵対心剥き出しで全国民がその国を認識するようになるんでしょうか…。
自分がロシアに住んでいたらNATOに囲まれることに怯えていたかもしれません。戦争に踏み切ったことは糾弾されなければいけませんが、怯える気持ちはわかります。
日本は、防弾チョッキなんて送っていないで、9条を持つ国として、仲裁する側に入ればいいのに…。