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今日もいろいろありまして、農の話も、学術の話も、展開できそうにありません・・・。
そこで、インコのお話の続きです。ご容赦ください。
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1、苦しそうなモモちゃん
あんなに嬉しそうにバタバタ飛び回っていたモモちゃんが、かごから出ようとしない。
朝・昼・夜と、病院でもらった消毒液をお腹にぬり、抗生剤入りの薬をほんの数滴だけ口に流し込む。
ずっと肩で息をしているモモちゃん。
四六時中、目をつむって過ごしている。
みんな、心配そうにかごの中を覗き込む。
〈どうか明日の朝も、生きていてくれますように。〉
寝る前にそう祈りながら、翌朝、起き上がるとすぐかごを覗き込んで、〈ああよかった!〉と安心する日々が続いた。
◇◆◇◆◇
2、奇跡的な回復
そのような緊迫した日々が、5日くらい過ぎたころ。
モモちゃんが、少しだけ元気になってきた。
エサを食べ、水も飲むようになってきた。
3度目となる事故から1週間後の通院で、先生から「これならいけるかもしれない」と明るい言葉を頂いた。
「でも、まだまだ予断は許さない状況だから気を抜かないように!」と念も押された。
私たちの心配をよそに、モモちゃんは、その翌日、そして次の日と、少しずつだったけれど、時間が経てば経つほど元気になっていった。
2週間目の診察では、先生に「これなら大丈夫ですね。よくがんばった」と太鼓判を押してもらった。
よかった! ほんとうによかった!
あれだけの大けがを乗り越えて、ほんとうに強いぞ、モモちゃん!
◇◆◇◆◇
3、モモちゃんの足が・・・
ただ、体自体は元気になっていく一方で、心配なこともあった。
足のやけどのあとは、徐々に皮が生え変わっているようだったのだけれど、どうやらかなり痒いみたいで、モモちゃん、せっかく治ってきた部分を、くちばしで剥いでしまうのだ。
だから、モモちゃんの足からは、いつも出血が絶えなかった。
そして、日を経るごとに、明らかに骨格が後退し、指が短くなっていった。
その結果、モモちゃんの足は、元のようには回復しなかった。
後ろに1本、前に4本あったはずの足の指が、片方は前足3本だけになってしまい、おまけに、足全体のサイズが、両方とも3分の1ほどにまで小さくなってしまったのだ。
だから、棒のうえにつかまり立ちすることができなくなってしまった。
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4、モモちゃんを支えるために
そのようなハンディキャップを負ったモモちゃんは、これまでと同じように遊ぶことはできない。
どうすればいいだろう? 家族で話し合った。
「モモちゃんは、床のうえでしか立てなくなったから、テレビに集中するときは、かごに入れておいてあげたほうがいいね。」
「調理をしたり、ご飯を食べたりするときも、同じような事故が起きないよう、かごに入れておいたほうがいいかもしれないね。」
「棒に立ちたいような仕草をしたときは、指のうえで立ってもらったらいいかも。」
このように、モモちゃんがなるべくストレスを感じずに生活できるような方策をみんなで話し合った。
大変な事故だったのだけれど、みんなでモモちゃんを支えていこうという気持ちは、よりいっそう強くなった。
〈モモちゃん、ほんとうにごめんね。これから一緒にたくさん遊ぼうね!〉