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今日、とある学会での研究報告があった。その準備のため、ここ数日、ブログ記事を書く時間が取れなかった。
そんな中、一昨日、国分寺崖線の水と緑さんから、弊ブログ記事【公共事業と生活6】にコメントを頂き、「18日に有識者会議が開かれ、午後に記者会見があるようです」と教えていただいた。
そこで今朝、研究報告のため職場に出かける前に、K子さんが「よかったね~」と言ってとってきてくれた東京新聞をみてみたら、「調布陥没『工事が要因』」という記事が一面トップになっていた。
その見出しをみて、事業者であるNEXCO東日本が原因を認めたのにとりあえず安堵しつつ、自宅を後にした。
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報告を終え、夕刻帰宅してから記事に目を通した。
そうしたら、どうも一筋縄ではいかないらしいことがわかってきた。
要因がわかった以上、事業者は補償するといっているけれども、どうやらそれは原状の回復だけに終わる可能性があるらしい。
しかも、トンネル工事のせいで、広範囲にわたり地盤沈下も起こっているとのこと。そういった状況のなかで、いったいどこまで補償されるのか、予断を許さない。
地権者である住民のみなさんのなかには、危ない場所にはもう暮らしたくないという思いから、事故のせいで価値の下がった土地の差額分の補償もしてほしいという方がいる。
このような被害住民の判断は、原因を引き起こした事業者なら尊重しなければならないはずだけれど、大深度地下工事の場合は地権者への補償は必要ないとしてきた大深度地下法がある以上、もしかしたら法を盾に渋られるかもしれない。
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こういう状況であるにもかかわらず、なぜ大深度地下法を国会に上程し、現在運用している国はダンマリを決め込んでいるのだろうか。
東京新聞の27面には、大深度地下法案が国会で審議されていた時、当時の国交大臣と担当官僚が、大深度地下工事による地上への影響は生じないと言い切っていたという記事が載っていた。
だが、今回、大深度地下でのトンネル工事による陥没事故が発生してしまった。
立法の趣旨は、もう崩壊しているといってよい。
そうである以上、大深度地下法は、すくなくともいったん廃止をすべきではいのか?
そして、大深度地下法にもとづいて認可が下りたトンネル工事は、すべて認可取り消しにすべきではないのか?
そうしなければ、地上で暮らす方々の生存権は、ますます危うくなってしまう。
法は、国民のためにある。一部の利権のためにあるのではない。事業者側の社員さんのなかにも、心を痛めている方は大勢いるはずである。公害の時と同じように、そうした人たちの気持ちを引き裂くようなことを、事業者や国はぜったいにしてはいけない。
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《署名サイト》
「東京・調布市の住宅地で陥没!空洞!住民の知らない地下トンネル⁈大深度地下法の廃止と認可取消を求めます!」http://chng.it/dmDJnrfpQ5
関心を持ち続けていただきありがとうございます。
20,21日と住民説明会がありました。
要因の一つとしながらも、まだ中間報告とし、原因を全面的に認めておらず、予断を許さない状況です。説明会場の中に報道陣は入れず、配布された案内状を持っていない住民(沿線上であっても)も説明会場に入れてもらえませんでした。
補償は家屋の被害しか想定しておらず「個別で行う」を繰り返し、「団体交渉は受け付けない」、資産価値の下落といった「仮定の話にはお答えできかねる」とはぐらかすような説明ばかりでした。
何十年も普通に住めていた閑静な住宅地、トンネルが掘られてから陥没・空洞のみならず、一帯が地盤沈下をおこしており、地盤を破壊した責任は個別補償では済まない問題です。地下水の流れも変わってしまったことでしょう。
しかも住宅の下はどのように地盤が破壊されたか?調べることもできないのです。時間差で二次・三次被害が発生することもあり得ます。
これは人工的に起こされた人災です。被害者というより被災者に近い。被災者支援法を作り、大深度法を廃止すべきではないでしょうか。
国分寺崖線の水と緑様
住民説明会の状況をお知らせいただき、ありがとうございます。
人災であるというご指摘、ごもっともだと思います。
しかしながら、認可した行政と事業者は、加害当事者である意識が薄いように感じます。
情報公開に努め、できる限りの補償をし、英知を結集して原因を探るという姿勢からは程遠い感じですね。
いつ陥没するかわからない恐怖をずっと抱きながら暮らしているみなさんの気持ちがわかっているのか、疑問ですね。
報による救済が必要だと私も強く思います。
ひきつづき、情報をご教示いただけましたら幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
ものぐさ講師