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今年は、なんといっても新型コロナウイルスのパンデミックにより、日常が劇的に変化した1年でした。
コロナへの対応で、国の間の差、自治体間の差をみせつけられました。
それと同時に感じたのが、科学を重んじている国や地域ほど、対応が早いということでした。
いっぽう、この社会では、理にかなったコロナ対策が遂行されたとは言い難い状況です。
そのための不安が、春先からずっと世間を覆ってもいます。
にもかかわらず、コロナ対策に便乗する利権が、隠されることもなく横行するという悲しい社会状況でもありました。
そして、参事に便乗し、「種苗法改正案」「サービサー改正法案」など、よくない法律も次々に成立していきました。
法律といえば、調布市の道路陥没事故は、多様な意見を取り入れた議論をせずにできた法律に基づき許可された事業が引き起こした人災だったといえるでしょう。
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温暖化が原因と思われる自然災害も、頻発しました。
大洪水が起きてしまった球磨川の沿岸地域では、まだ復興は途上です。
いま、紅白歌合戦でさだまさしさんが歌われていて思い出したことがあります。
それは、さださんが、被災地への支援をされてきたというニュースです。
何という番組だったか、どのチャンネルだったか、忘れてしまったのですが、震災直後、不要になった家財道具や支援物資を運ぶ軽トラックがとにかく足りない、という被災地からの声を聴いて、さださんが仲間とともに軽トラックを数台現地に送り届けたという話が放送されていました。
でも、その番組では同時に、さださんが、売名行為だという心無い言葉を受けているという話もあわせて放送されていました。
心無い言葉を投げかけた方々は、たぶん、災害に遭われたことがないし、被災地に行かれたこともないのだろうと推察します。そうした方々には、ぜひ、被災地で苦悩されている方がたの思いを、それに応えようと活動されている方がたの気持ちを想像してほしいな、すこしだけでもそうした想像力を働かしてもらえたら、みんな傷つくことなく、支援の輪も広がるのになと思いました。
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個人的には、大切な人生の先輩が3人もなくなる辛い1年でもありました。
ひとりめは、おばあちゃん。母親代わりの祖母からは、いろんなことを学びました。
思い出をもっと書き綴っておきたいけれど、時間が取れなかったので、来年こそ!と思っています。
ふたりめは、マグロのまち青森県大間町で、ずっと大間原発の建設に反対されてこられた奥本征雄さんです。私にとって、奥本さんは、賛成する方との議論も重んじる、すごいビッグな方でした。私自身の偏見を覚ましてくださるお話を伺った熱い時間は、一生、忘れることができません。
3人めは、元毎日新聞の記者で、教育関係の記事の論説主幹を務めていらした矢倉久泰さんです。文明フォーラム@北多摩を立ち上げるとき、一緒に福島に行ったり、議論したりした日々を忘れることはできません。
奥本さん、矢倉さんのご冥福をお祈り申し上げます。
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このように、2020年は、社会的にも、個人的にもつらい年でしたが、いろんな希望を感じる一年でもありました。
報道では、芸能人の不倫や政治家の疑惑といったセンセーショナルなことが報道されがちだったけれど、コロナの感染が拡大しても、いろんなところで助け合いや支えあいがありました。
労働者協同組合法のように、働きかたの多様性を担保する法律が通ったりもしました。
医療・介護従事者、NPO・NGO、ボランティア、行政・政治に携わる人たち、運送業者さん等多分野の働く人たち、など多くの方がたが、日常を維持するために、希望を失いかけている人たちのために、奮闘されています。本当に頭が下がります。
そして、学生のみなさんからも、日々の交流や議論のなかで、あたたかい言葉や有益な示唆を頂きました。こうした若い人たちが将来を担っていくこの国の未来は、まちがいなく明るい、そう思います。
希望をつなぐために、来年も、いろんなところにアンテナを張り、ブログの記事を紡いでいけたら、と思っています。
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お世話になったみなさま、今年一年、本当にありがとうございました。
2020年大みそかに
ものぐさ講師