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1, 3ヵ所目の空洞が!
15日の朝。トイレで新聞を読んでいたら、調布市の陥没事故の続報が目に留まった。
「調布空洞3ヵ所目 外環道トンネル工事ルート上」(※1)
空洞は、陥没事故が起こってからとまっているシールドマシン真上の場所にあるらしい。
事故から3か月もたって、また新たな空洞が見つかる、という現実。
しかも、12月以降、原因不明のガス漏れが3件発生している(※2)。
続報では、地下16メートルのところに、10メートル×4メートルの空洞があったとのこと。
記事によると、この現実にたいし「外環被害住民連絡会・調布」の「共同代表の1人、菊地春代さんは『ずさんな施工管理により、私たちはいつグラグラと足元の地盤が崩れ始めるかもしれない恐怖と不安の毎日を強いられている』と声明を読み上げ」られた(※3)。
一歩間違えていたら、大惨事になっていたかもしれない。
住民のみなさんにとって、どれだけ不安で辛い状況だろうと考えると、いたたまれなくなる。
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2,首都圏に広がる、砂層の上総層
K子さんの発案による、3連休を使った模様替えでくたくたになっていた鏡開きの日の11日朝、新聞を開くと、「調布陥没 トンネル専門から指摘 流砂現象の発生か 事前調査が不十分」という記事が飛び込んできた(※4)。
「外環ネット」が、武蔵野市で6日に、調布市で10日に開いた緊急学習会。そこで、トンネル工事に携わってきた大塚正幸さんと、現場周辺の地理に詳しい早川芳夫さん(元高校教諭)が報告され、以下のような指摘がなされたという記事だった。
記事によると、大塚さんは、首都圏にある「上総層群」という砂の地層で流砂事故が起こっているため、それと同じような現象が起きたのではないかと指摘。
早川さんは、「陥没現場周辺の地下にはトンネルから地表面までの47メートルのうち上総層群の一つに分類される『東久留米層』が役40メートルの厚さで広がっていると指摘」された。しかも、一度緩んでしまった地盤では地盤沈下は簡単には収まらないのだという。
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3, 他人ごとではない地下の現実
この学習会の記事を読み、〈また空洞が見つかるような事態にならなければいいけど〉と思っていたので、〈恐れていたことが起こってしまった、いつになったら住民のみなさんは安心できるのだろうか〉と思わずにはいられなかった。
1月6日の武蔵野市での学習会については、以前、弊ブログでも紹介したホームページ「外観ネット最新ニュース」で紹介されている。そこでは、大塚正幸さんの報告資料を見ることができる。
ホームページで紹介されている大塚さんの言葉が、とても大事だと思ったので引用したい。
「上総層の地盤は安定した地中では固く支持力があるが、空隙が生じて水で流されると緩みが進行する性質がある。砂礫層に遭遇してシールド掘進が難航する間に地山から大量の土砂を取り込み、切羽前・上部の緩みが進行した。不十分な地質調査のために、シールド機の設計が適切でなく、地山の性状に即した適切な施行管理も疎かであった。堆積層からなる都市の地下40mは、支持地盤の下にあるから安全深度であるという認識は改めなければならない。」(※4)
お二人の報告から、今回の陥没事故は、けっして対岸の火事ではなく、今後、多くの人に降りかかるかもしれない、自分ごとの問題なのだということがわかった。
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【注】
(※1)『東京新聞』2021年1月15日付朝刊、27面。
(※2)『東京新聞』2021年1月11日付朝刊、18面。
(※3)『東京新聞Tokyo Web』2021年1月15日記事「『いつ崩れるか、恐怖の毎日』3ヵ所目の空洞に住民抗議 調布陥没」https://www.tokyo-np.co.jp/article/80176?rct=t_news
(※4)『外観ネット最新ニュース』2021年1月14日付記事 外環ネット最新ニュース (sblo.jp)
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【オンライン署名サイト情報】
いま、署名活動はふたつのものが並行して行われているようです。
〇「住宅地陥没!東京外環道路事業・工事の中止を求めます。」(外環ネット)
キャンペーン · 国土交通大臣: 住宅地陥没!東京外環道路事業・工事の中止を求めます。 · Change.org
※外環ネットの最新ニュースは以下のサイトでご覧になれます。
「住宅地陥没!東京外環道路事業・工事の中止を求めます。」署名活動にご協力ください: 外環ネット最新ニュース (sblo.jp)
〇「東京・調布市の住宅地で陥没!空洞!住民の知らない地下トンネル⁈大深度地下法の廃止と認可取消を求めます!」(家の真下にトンネルいらない会)
キャンペーン · 国土交通大臣: 東京・調布市の住宅地で陥没!空洞!住民の知らない地下トンネル⁈大深度地下法の廃止と認可取消を求めます! · Change.org