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(付記)
大学はいま学期末・年度末を迎えておりまして、論文審査や成績付けなどに追われ、猛烈に忙しい状況が続いています。そのため、ほんとうなら【新型コロナウイルス問題】の続きを綴りたいのですが、その時間がなかなかとれないまま5日が過ぎようとしています。そこで、今日は、2013年8月26日(月)に記した日記をUPさせて戴きます。よろしければ、私の親としてのダメっぷりをご笑覧ください!
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子どもが「海に行きたい!」と行ったので、週末、新潟の瀬波海岸に一泊した。
有名な観光地らしいのだけれど、恥ずかしながら私は、瀬波温泉郷を今回ネット検索で初めて知った。「温泉民宿きくもと」で、名湯に浸かって海で泳ぎ冷え切った体を温め、日本海の海の幸に舌鼓をうつ。子どもたちも、久しぶりに海を見るだけで大はしゃぎ。しかも、はるか彼方まで広がっている日本海の眺望に、かなり興奮し喜んでいた。
2日目。午前中「新潟市水族館マリンピア」にゆき、午後には「福寿温泉じょんのび館」で温泉を楽しんだあと、帰路の途にある赤城SA(下り)のレストランに入った。
イタリアンがおいしいらしく、パスタの好きな私たち家族は、さっそく「あさりと青じそのボンゴレビアンコ」、「季節野菜のペペロンチーノ」、「カニとウニのクリーム」パスタを注文した。
親として反省すべきことが起こったのは、そのあとである。
ふだん、怖がりの長男のために、食事中、薄暗い台所へ水を注ぎに行ったり、人数分のお箸やシルバーを準備したりしてくれる次男が、ぬっと立ち上がり、ホールの中央に置いてあるサーバーへ駆け寄ったあと、おもむろに、人数分のフォークとナイフを取り始めた。取り皿やシルバーの不足などを客に告げられた店員さんが、不足分をそこから持ってゆくために置かれているサーバーなのは、もちろんである。
私は強く注意した。
「勝手に触ったらダメでしょ! それは店員さんが持ってきてくれるものなんだから。」
何度言っても置こうとしないので、私はついに怒ってしまった。
「何度言ったらわかるのね(鹿児島弁)! 早く戻ってきなさいと言ってるでしょ!」
席に戻ってきた次男は、悔しそうに、いっとき目を真っ赤にはらしていた。
度量の小さい私は、その姿にうろたえて、自主的にやったことはいいことなんだよ、でも店員さんの用意してくれるものは勝手にさわってはいけないんだよ・・・などと言い訳をしながらも、心の中ではまだ憤慨していた。
しかし、早めの夕食を食べ終え、高速道路を運転し始めた後、いつもの激しい後悔が襲ってきた。
注文が終わったあと、サーバーを見つけた次男は、自分がみんなに持っていこうと思って、人数分のシルバーを数え始めたはずである。誰にも言われず、自主的に。
だが、親の私は、その自主性を尊重するどころか、周囲の客や店員の視線など、体裁ばかりを気にして、怒りを彼にぶつけてしまった。
店員さんがシルバーを籠に入れて持ってきてくれたとき、
「すみません、次男が自主的にそこから持ってきてしまいましたから、もう揃っているので結構です。ありがとうございます」
と、ひとこと言えば済んだ話だったのではないか。もし、次男がサーバーを物色中に店員さんに怒られてしまったとしても、自分が泥をかぶり、
「次男の自主性を尊重したいので、許して下さい」
と伝えればよかっただけのはずなのだ。もしそれくらいで怒られるお店だったとしたら、次に訪問する機会は、どうせ絶対ないのだから・・・。
親として、最低なことをしてしまった。今日自宅に戻ったら、さっそく次男に謝罪しよう。そして、「いつまでも、そのままのBくんでいてね」と、心の底からお願いしよう。
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(後日談)
Bくんは当時、保育園の年長さんでした。謝ったのが、自宅に戻ってからか、その前のパーキングエリアだったかはもう覚えていないのですが、すぐ許してくれたのを思い出します。いま思い出しても恥ずかしいと同時に、こどもの偉大さを再認識させられる思い出です。
私は怒らない(怒れない)人なので、このように注意することもできません。せいぜい、自分の行いを一緒に振り返ることしかできていません。私は羨ましく思います…
松林様
拙ブログ記事へのコメント、誠にありがとうございます。
私も、叱れるのは自分のこどもだけです。
ニール研究者の故・霜田静志さんが、『叱らぬ教育の実践』(黎明書房)で、子どもは対等な関係であり、よくないと思うことをしても説得し続けなければならない、叱るという行為は最後の最後だと仰っているのを肝に銘じなければ、と思っているのですが、なかなか難しいです。
我ながら、親として、まだまだです!
またコメントを頂けたら嬉しいです。ありがとうございました。
ものぐさ講師