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1、厚生労働省職員が23人でマスクなし宴会!
ニュースを聞いたときは、本当にびっくりした。緊急事態宣言が解除された直後、ほかでもない、新型コロナウイルスの対策を手掌する厚生労働省の職員23人が、飲食店の時短営業要請が継続される中、深夜まで、マスクをせずに宴会を催していたというのだから。
【記事】『東洋経済online』2021年3月29日「厚労省官僚「銀座で0時頃まで23人宴会」のあぜん 時短要請の21時を過ぎても帰らず、店に残り」
https://toyokeizai.net/articles/-/419884
宴会を開きたかった気持ちについては、とてもよくわかる。私もみんなで飲んで語らうのは大好きだから。今年の春は、卒業生の歓送会を開くことができず、とても悲しい気持ちになったから。
でも、やっぱりやってはいけなかった、と思う。
そして案の定、参加者のなかから複数の感染者が出てしまった。
【記事】『読売新聞』オンライン2021年4月8日付記事「厚労省職員23人の深夜宴会、出席者3人含む6人感染…保健所が感染経路調査」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210408-OYT1T50172/
時短営業に従わない店への罰則を可能にする法を提起し、執行する行政権力のなかに位置し、模範を示すべきである人たちの、あまりの体たらくに、言葉が出てこない・・・。
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2、なぜ誰も「やめとこう」と言えなかったのか?
このニュースに接したとき、脳裏をよぎったのは、宴会を開くことになったとき、なぜ誰も「コロナ禍の今は、やるべきではありません」と箴言しなかったのだろうか、という疑問だった。
厚生労働省が、感染症対策の本丸官庁であることは、いまや誰もが知っている。それなのに、万が一、23人もの多数で深夜まで宴会をし、クラスター感染が発生したら、非難を浴びるのは間違いない・・・。
そんなことは、23人中23人が分かっていたと思うのだ。
それでも、宴会は決行されてしまった。そして、クラスター感染が発生した。
先輩に対し、おかしいことを「おかしい」と言えない空気が、政治主導に端を発する上意下達の雰囲気が、官僚組織のなかで、それほどまでに蔓延ってしまっているのだろうか・・・。
この件もやっぱり、忖度が発動した結果なのだろうか? そう思わずにはいられなかった。
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3、ワクチン、保冷バッグで送る。
『田中龍作ジャーナル』。今起こっていることを現場の目線から発信してくれる、数少ない報道サイトである。その記事の中で、目を疑う記事があった。マイナス70度で送るようにとあれほどファイザー社から言われている新型コロナウイルスを運搬するために、なんと保冷バッグ4万個が自治体に送り届けられていた、というのである。
夏場、ちょっと買い物をしたり、ドライブに出かけたりした経験のある人なら、すぐわかる。どんなにキンキンに冷やした保冷剤を入れていても、お昼になればフニャフニャになってしまっていることを。
テレビでは、摂取が始まるかなり前の、供給されるワクチンの特徴が分かった時期から、マイナス70度で運搬するのがいかに難しいか、指摘していた。それにもかかわらず、まさかの保冷バッグ発送!
国家一種試験を受かったキャリア官僚のみなさんが、「保冷バッグだとマイナス70度に保てないかもしれない」と疑問に思わぬはずがない。
そう考えると、23人宴会といい、保冷バッグ発送の件といい、厚生労働省内での忖度は、かなり重症なのかもしれない・・・情報番組を見ながら、そう勘繰らずにはいられなかった。