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4、本気で東京オリンピックをやる気があるの?
そういった点を前提に、また想像してみてください。
昨日あげた①~⑩のように、現行法制の下でできる施策がたくさんある。そして、「こうしたほうがいい」という有益な声もたくさんあがっている。海外の成功事例もたくさんある。
こうした状況のなかで、みなさんが責任ある立場だったら、どう行動されますか?
できるかぎりの対策を「どんどん実行していこう!」と思いますよね。
みんなの生活といのちがかかっているのですから。
でも、実際には、「それってウイルス拡散につながるんじゃ?」という批判をものともせず、利権まみれの施策「GoToトラベル」まで実施されるお粗末さでした・・・。
昨年の7月でしたが、このニュースを聞いたときは、はっきり言って理解不能で、「本気で東京オリンピックをやる気があるのかい?」と、テレビに向かってツッコミを入れてしまいました。
世界には、コロナの抑え込みに成功している国や地域があるのに、どうやら学ぶ気がないらしいと、思い知らされる一件でした。
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5、優先されるオリンピック
こういうちぐはぐな対応を1年半にわたってみてきて、この国の政府や東京都は、このブログでもたびたび述べてきたように、できるだけ現状を把握しないようにして、「日本は大丈夫です、東京オリンピックできます!」とアピールしたいと本気で思っているのではないか、としか思えなくなってしまいました。
あなたが行政の長だったら、とまたまた想像してみてください。多くの国民・都民のいのちが失われていっているときに、多くの人の所得が危機的水準にあり、貧困対策待ったなしの状況にあるときに、「平和の祭典、オリンピックを何が何でもやり遂げよう!」と思えるでしょうか?
思えないですよね。ふつうの感覚なら、現状を見て、いたたまれなくなると思います。
優先すべきは、コロナ対策の拡充と、コロナ禍により災悪に見舞われている人たちの救済措置だと考え、対策を講じると思います。
しかしながら、どれだけ有識者や野党からそうした意見が出ても、対策を取ろうとしない行政権力・・・もはや、悪夢を見ているとしか思えません。
でも、残念ながら、そうした対応を取っているのが、いまの政府や東京都です。
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6、制限されるのは、移動の自由・経済活動の自由だけではない
このように、広く意見を募り、科学的に検証し、なんとかウイルスをやり込めようとする意思がないらしい政府に、立法権力まで与えてしまったら、どうなるでしょう?
制限されるのは、なにも私たちの移動の自由、経済活動の自由だけではありません。
共同通信の世論調査の項目を引用しますので、読んでみてください。
「問12 政府は新型コロナウイルス感染症のまん延を受け、特措法に基づく緊急事態宣言を発令しました。これと別に、大地震など大規模災害に加えて感染症まん延時に対応するために憲法を改正し、内閣の権限を強化して、移動の自由や営業の自由など個人の権利を制限できる緊急事態条項を新設する考え方があります。あなたはどう考えますか。
感染症まん延などに対応するための憲法改正が必要だ 57%
感染症まん延などに対応するための憲法改正は必要ない 42%」
制限できるのは「移動の自由や営業の自由」「など」です。そう、あの「桜疑惑」で、招待者の基準を記した文書でも話題になった、官僚用語の「など」が入っています。
「マスメディアも、官僚用語を使って、電話口の人に考える材料をすべて明かさないんだ!」
とビックリしてしまったのですが、それはさておき、憲法に明記されている個人の権利を制限する非常時大権が発動されれば、当然、思想・信条の自由も、意見を表明する自由も、報道の自由も制限されることになるでしょう。
~明日へ続く~