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7、非常時大権が発動されたら、医療の混乱に拍車がかかるかもしれない。
そうなったときの世界を、想像してみてください。
いまでさえ、「こうしたほうがいい」という声にたいし、まともに取り合おうとせず、混乱を生み続けている政府が、有益な情報や意見をすいあげ、優先的に行われるべきコロナ対策に応用する能力をもっているとは到底思えません。
そんな政府が、意見を表明する自由、報道する自由をも制限したあとに訪れるのは、おそらく、コロナ感染の実態が覆い隠され、実態を暴こうとした人たちが弾圧される世界でしょう。医療従事者が、他の病気で苦しんでいる患者さんを見捨てるよう強制され、ボランティアでのオリンピック従事や、不十分な対価でのコロナ対応に当たらせられる世界になるでしょう。
でも、対応はちぐはぐなので、感染拡大が抑えられそうもない。利権を優先し放題にもなるので、また性懲りもなくGo To トラベルを実施してさらに感染拡大を引き起こす、といった喜劇のような事態が起こらないとも限りません。
そうこうするうちに、多くの人が、コロナ感染のみならず、それ以外の病気でもいのちを落としていくという、断末魔の世界がやってくるかもしれない・・・。
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8、優先度のおかしさ(=人災)による医療現場ますます混乱の兆候が!
空想の世界で終わってくれればいいのですが、万が一、そのような事態に陥ってしまったときに、非常時大権を行使している権力を抑える力は、もう、誰にも与えられていません。
そうしたら、オリンピックの遂行がこの国の中心課題となり、そのために私権が制限され、コロナ患者やその他の病気の患者の助かるいのちも助からないという最悪の事態が訪れます。
まるで、戦争の遂行が至上の目的となった時代に、国民のいのちが軽くあしらわれたときのようです。
そうなると、「オリンピック>人権>いのち」という、国民主権やオリンピックの「平和」という理念とは似ても似つかない、逆立ちした状況になるのは必至です。
実際、医療現場がひっ迫しているにもかかわらず、IOCは、看護師500人を、なんとボランティアで(!)派遣要請しました。首相もそれを後押しするコメント。
医療従事者のみなさんからは、さすがにそれはないだろうと、批判の声が上がっています。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/288630
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9、混乱を生みだしたのは誰か?
いまの混乱した状況を生みだした真の原因はどこにあるのか? 誰に責任があるのか?
この点について、様々な情報を集めながら、時系列に沿って考えていかないと、追及すべき相手を間違えて、ほんらい責任を取ってもらうべき相手にフリーハンドの権限を与えてしまう結果となりかねない・・・それがいまの現状だと思えて、私は怖くなるのです。
でも、私たちは、その怖さをすでに、歴史から学んでいるはずです。
私、知らなかったのですが、医療崩壊については、すでに、日本救急医学会、日本臨床救急医学会が、このままでは救急医療が崩壊すると、昨年4月の段階ですでに指摘されていました。
https://www.jaam.jp/info/2020/files/info-20200409.pdf
そのことを知るきっかけとなったYouTube動画では、実は、自民党の塩崎恭久議員が、「感染症法」の改正案として、コロナの緊急病床拡充のための提言を、昨年春の段階でなさっていたというのです!
それを握りつぶしたのは誰か?
気になる方は、ぜひこの動画をご覧ください。
もしも、塩崎議員の提案が受け入れられていたら、局面はもっと違ったものになっていたかもしれません。
そうだとしたら、緊急事態条項が憲法にあるかどうかなど、まったく関係がなかったということになります。
「けしからん輩がいる!」というだけで憲法の緊急事態条項の制定に賛成だ、という方へ。この4日間の拙ブログを読んでいただいて、ちょっとでも疑問が生じていたら、ぜひ、どうやら重要な論点が示されない「表」の情報だけでなく、より深く掘り下げているけれどもあまり日の当たらない情報も参照しながら、ちょっと立ち止まって考えてみませんか?
多くの人が困難な状況に追い込まれ、いついのちを失うかわからないコロナ禍においては、思考の軸は、もはや「保守VS革新」ではなくて、「利権VS国民の生活といのち」へと急激に変化していると感じます。
(2021年5月16日に一部修正)