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1,信号付きの横断歩道
今回は、自転車のおじさんのふるまいから私が学んだ、「大人を信じる子どもの気持ちを裏切ってはいけない」んだという自らへの戒めについてのお話です。
昨日の朝。保育園に行くとき、ひやりとする出来事が起こりました。
この日は、車でTくんを送りました。たびたび愚痴をこぼしてしまっているように、今期は担当する授業も実習も多くて、本当に忙しく、今週もまた、木曜5限の新しい授業つくりなどで睡眠不足が続き、とても疲れていたからです。
コインパーキングと保育園との間には、けっこうな車どおりのある道があります。
保育園に行くには、その道にある、信号付きの横断歩道を渡らないといけません。
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2,信号がまだ「赤」だ!
Tくん、ほとんどの場合、「だっこ~」とせがんできて可愛いのですが、この日は、車を降りるなり、「今日は走っていく!」と言い残してピュ~と走り始めました。
でも、そういうときはいつも「曲がるところでは、きちんとあっち、こっちを見て、自転車とか車が来ていないか見てから行かないといけないよ!」と伝えているので、道路の節目では確認行為を怠りません。
その姿がなんともかわいいのですけれども、それはさておき。
この流れで、件の横断歩道に差し掛かったところ、ひやりとすることが起こったのです。
そこには、自転車にのっている、わたしより10歳ほど年上のおじさんが信号待ちをしていました。そのおじさんが渡り始めたので、Tくんも渡ろうとしたのですが、5歩くらい遅れて追いかけていた私、すんでのところで気づいたのです。
信号が、まだ「赤」だということを・・・!
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3,Tくんが裏切られた、大人への信頼
「あぶない!」
気づいたら、近くを歩いている誰もが振り向く大声をあげていました。
そしたら、Tくん、ピクっと体をふるわせ、止まってくれたからよかったのですが、もし、おじさんのあとについて渡ってしまっていたら・・・すぐあとを通った車がいたので、想像するだけで怖くなります・・・・。
それから、手を握り、押しボタンを押して、青になってから一緒にわたったのですが、Tくん、私に大声を出された影響で、保育士さんが預かってくれた時にタッチはしてくれたものの、終始うつむき加減でした・・・。
このとき、思ったのです。Tくんは、おじさんが渡るのだから、信号も「青にちがいない」と思っていたはずなのです。つまり、そこには、大人への信頼があったのです。
でも、おじさんは、悪気はないでしょうが、結果として、Tくんのその気持ちを裏切ってしまいました。でも、おじさんは、わたるときに一瞬こっちを見ていたので、むしろ「悪いことをしているかも」と気づいていらしたのかもしれない、と思います。
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4,交通マナーを守らなきゃ!
Tくんは、何が起こったかにわかにはわからず、「おじさんはボタンを押していなかったみたいだね。あぶなかったね~」という私の言葉で、ようやく理解できたようでした。
でも、かれは、大人を信頼する気持ちは高いままなので、もしかしたら、また同じようなことが起きてしまうかもしれない・・・注意しなければ!と気持ちを新たにしました。
保育園からの帰り道、車中で考えました。もし、私がおじさんと同じように交通マナーを破ったとして、あとを追ってきたお子さんに万が一のことがあったら・・・私は、おそらく自分を責め続けると思います。
だから、自分の判断を過信して「大丈夫」と赤信号を渡るようなことをしてはいけない、と強く思いました。もしかしたら、近くにいるこどものいのちにかかわってくるかもしれないし、そうならなかったとしても、こどもの大人にたいする信頼を裏切ることになるかもしれないのだから・・・。そう教えられる朝の出来事でした。
そういえば、上の子たちも、赤信号で渡る大人へは小声で厳しい言葉を浴びせていて、こちらがヒヤヒヤするくらいなのですが、今回の件で、かれらが小言をいう理由が分かったような気がします。
それにしても、ヒヤリとしてから高鳴りしっぱなしの胸の鼓動が、なかなか抑えられませんでした・・・。